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狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか (ウィザードブックシリーズ)狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか (ウィザードブックシリーズ)
(2004/06/25)
チャールズ・マッケイ

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 今、中国の政治家は、いみじくも笑傲江湖のあとがきの出だしにあるように、「大多数の人のために福利をもたらすことを、努力目標に掲げ」ている善人かどうかの瀬戸際ですね。
 「不幸になってしまう人」が一人でも少なくなるよう祈るとともに、はからずも不幸になってしまった人が「幸せ」になれるよう望みます。

 ドラマでは、華山洞窟の中での五岳剣派同士討ちはカットされてますね、真っ暗闇をどう映像化するか(笑)楽しみだったんですが・・・。 岳不群が仕掛け、左冷禅がこれに乗った形の所謂「集団パニック」状態。 各派の未知(亡びた)剣術、それを破る魔境の技という「過度の情報」・かりそめの併派という「相互不信」、それに「暗闇」を加えた上手い情況設定です。 令狐兄もさすが盲目の集団相手でかつ独孤九剣も使えず、「ピンチ!」に陥りますが、なんと魔教の先達の遺骨から発する燐光で何とか助かるという「あれれ」というオチでした。
そして、やっと助かった令狐兄と盈盈を岳不群が襲いますが、儀琳があわや間一髪(彼女には髪はないが)というところで岳不群を刺し、師太の仇討ちを果たすのです。 かなり都合がいいのですが、まあ良しとしましょう。 このあと、任我行率いる日月神教が攻め寄せ、令狐兄に入門を強要するのですが、令狐兄はこれを断り、恒山を攻めるぞ!となります。

 迎え撃つ恒山には少林派・武当派はじめ助っ人が参加し「教主席爆破作戦」でこれを迎え撃とうとします。 突然の「爆弾」の登場ですが、これも丁度この小説が書かれた時期の香港で頻発した左派による「爆弾テロ」を基にしたのだとおもいます。 この一連の左派(中共文革派)の香港での騒動は、「六七暴動」として香港史の重大な出来事だったのです。 
 その頃の香港は「ホンコンフラワー」(懐かしい)といわれるような、輸出・加工型「軽工業」が発展し、大陸からの移住(逃亡)者達が流入し相当劣悪な労働条件で働いていたようです。 そういった背景と、大陸共産党の「オルグ」「扇動」で「暴力的」な「革命的反政府活動」が連鎖的に起こったのです。 デモ・乱闘・爆弾テロが頻発し喧騒の一時期だったようです。
 金庸は自らの新聞「明報」で反文革派と論争していた時期で、爆弾など「テロ」の脅迫を受け、一時期香港から退避し'70年代末まで香港当局の保護下にいたようです。 そういったことから、一見「以外」と思われる「爆弾作戦」をラストにもってきたのかと思います。 そして、このラストのシーンがあまり切羽詰らず、可笑しめに書かれている様に読めるのは、金庸の「非道な暴力を笑い飛ばす健気さ」でしょうか。

 このように、「笑傲江湖」は、個々のキャラクタとあわせ、「武闘場面」が「政治的闘争」の色々なパターンを表現するよう書き分けています。 只の武闘だけではなく丁々発止の「論戦」の方が主といってもいいようです。 福州林家襲撃の視えない敵の「テロリズム」、劉正風洗手式の「粛清劇・パワーゲーム」、「待ち伏せ」、「騙し討ち」、少林寺「三戦」、「東方不敗征伐」、「嵩山会議」、「林平之仇討ち」・・・・。 この多彩さは魅力ですね。
 金庸先生によるお硬く言えば「政治学講座」、やわらかくは「敵を論破する裏技集」みたいなもんでしょうか。 そういう読み方も面白いと想います。



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