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淡淡幽情淡淡幽情
(1995/07/26)
テレサ・テン

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 テレサ・テンが、南唐・宋の時代の「詞(ツー)」に、改めて曲をつけ歌っています。 作詞者が「李」「蘇軾」「欧陽修」「辛棄疾」・・・。 「詞」には手も足も出ないんですが、「言葉」の「音」は「音楽」そのものなんだなと思います。 このなかの一曲、蘇軾の「但願人長久」です。
 続きでどうぞ・・・
 さて、三時限目は 11)反復 12)異化 13)間テクスト性 14)メタフィクション 15)結末 までいきます。 何故にこのCDが登場したかも関係しています。
以下ネタばれ満載ご容赦のほど・・・。
 

11)反復
イ)用語の定義
 文学において、頭韻、脚韻、リフレイン、前辞反復(中国では対句・平仄なども含む)など音や語句、韻律、文法構造の「反復」は重要な要素である。 これと同じように小説でも「反復」が重要視される。 小説の場合「出来事・人物・言葉」が加わる。
ロ)本作では
 a)音や語句、韻律、文法構造は、原語力が無いので手も足も出ません。 人名、技の名称、キメ科白・・・あらゆるところに埋め込まれているのでしょう。
 b)「出来事・人物・言葉」では、例として
 ・令狐冲が「救難」で定逸師太に「出来!」と一喝され、小説の表舞台に登場する。
 ・少林寺の三戦で任我行から令狐冲に「下来!」と声がかかり、その結果武林の重要人物となる。
 ・盈盈が新婚夫婦の床に隠れている桃谷六仙に、「出来!」と一喝し物語が閉じられる。
 物語の節目となる三つの「出てきなさい!」が印象に残る。
 c)語りの手法として「聆祕」=「盗み聞き」「覗き見」が反復して使われている。 その「盗み聞き」を最後に一喝し、物語を閉じるのが前述の「桃谷六仙、出て来なさい!」である。


12)異化
イ)用語の定義
 a)「異化」:普段見慣れた事物から、その日常性を剥ぎ取り、新たな光を当てること。
 b)「前景化」:ある要素や属性を強調し、読者の注意をひきつけるように際立たせる方法
ロ)本作では
 a)金庸の小説には「特異なキャラクター」「意外なストーリー」が満載であるが、本作はその見本市である。 情景描写も「ただでも面白いもの」を「より面白く書く」芸は流石。 中国の政治史の裏街道的「宦官」を、さらに裏返しにしてしまった「東方不敗」を書いたのはやはり凄い。


13)間テクスト性
イ)用語の定義
 「間テクスト性」:他の文学テクストとの間の関連性。直接の引用だけでなく間接的影響など全ての関連性をいう。
ロ)本作では
 a)到底仔細に考えが及ばないが、中国五千年の歴史的現存性であることは間違いないし、「反復」とあわせ読み手の快楽でしょう。
 b)作者自身が「道教」をモティーフとしたと述べており、「隠者(隠士)」「老荘思想」などの観念から「各派の名称・地理的拠点」「武術の名称」まで至るところに埋め込まれているようです。 道教の「現世欲望の極大化」という目的と、「老荘思想」(無為自然・隠者)という一見相反するようなものの繋がりは魅力的です。
 c)金庸の小説の世界としては、「独孤求敗」を「独孤九剣」により「幻のカリスマ」にしてしまったこと。


14)メタフィクション
イ)用語の定義
 語り手が語りの前面に現れて、読者に向かって、「語り」自体についての口上を述べる小説
ロ)本作では
 このような記述は無いと思うが、不戒和尚の妻との因縁のくだりの言い訳はこの雰囲気がする。

15)結末
イ)用語の定義
 a)「閉じられた終わり」:はっきりとした解決に至る
 b)「開かれた終わり」:はっきりとした解決なしに終わり、結末について多様な解釈が可能。

ロ)本作では
 「閉じられた終わり」と思えるが、あとがきの最後の一説「類似する情景が、いかなる時代にも起きうることを示している」とあるように、いつ何処で令狐冲にまた「出来!」という御声がかからないとも限らない。 林平之の監禁先が任我行と同じというのも不気味である。


これで、ガイドブックに沿った練習は一応終わり、四時限目で「まとめ」てみたいと思います。
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