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 原作のほうはもう六巻目ですね。
 
鹿鼎記 6 クレムリンの女帝鹿鼎記 6 クレムリンの女帝
(2004/01/26)
金 庸

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さて、ドラマは先週に続き歴史の主人公四人組が集まった三聖庵の場面ですが、九難が、
 「古今第一(古往今来天下一)」の『逆賊(反賊)」と『売国奴(漢奸)』が集まったわね。」
 というなり、小宝が、
 「古今第一の『美人(大美人』と『武芸の達人(武功大高手)』も・・・」とはしゃいだ処、すかさず九難が、
 「おまえのほうこそ古今第一の『小狸』だ」と切り返し、一同苦笑・・・一瞬場が和みます。
 この『小狸』という訳・・・原作は「小滑頭」となっており、直訳は「小ズルイ奴」みたいです。 『小狸』とは上手い翻訳です。 それに、「小滑頭」はよく使う「悪口」・「皮肉」なんでしょうかね?(笑)

 この場面の呉三桂と李自成の武闘シーンですが、以前「メタファーとしての武功」ということを書きましたが、金庸先生、ここではあからさまに書いています。 ドラマでは、映像では描かれていました。 しかし、特に解説・科白があるわけでなく、印象にも残りませんが、原作によればこういうことです。 まず、
 ・李自成に追い詰められ形勢不利になった呉三桂が、やおら陳円円に矛先を向けます。 これに小宝は「浮気した女房を殺すのか?」と思いますが、まあ九難が思うように、「情人を武器としてまで勝とうとする、何処までも悪辣な手を使う呉三桂」です。
 ・李自成は円円を守るべく形勢逆転、防御に破綻をきたしアッサリ「降伏」します。 小宝は「何で今更命を惜しむ」と見損ないますが、これも「騙し手」。 やおら、転がって呉三桂に撃ちかかります。 降伏したふりをして切り返すのは、李自成お得意の戦術(笑)だったのです。 そして、九難は、
 「この二人は、同じように狡猾で陰険だわ、どうりで明王朝はこやつらの手で滅ぼされたのね」と思うのです。 世間知らずの九難ですが、専門(笑)の武功を通し、仇敵の本質を知る、というわけでしょうか。
 そして、李自成に撃ち殺される寸前の呉三桂に、陳円円が抱きついて命乞いをし、李自成が「先に私を殺して」「二十数年夫婦だったから・・・」と李自成も視聴者も「え?」と思わせる行動をするわけですが、実は、「逆だったら相手をかばうつもり・・・」というのが、円円の気持ちだった・・・というオチ。

 武闘の間に、円円のフラッシュバック・モノローグがあります。 よく知られる逸話に加え、呉三桂が体面を優先し別人を正室に迎えた故、突然訪れた李自成に心が遷った。 そのうち阿珂が生まれるも、呉三桂は他人の子とは気づきもしなかった、というような経緯。 二歳の時娘を攫っていったのは李自成だと思い込んで、それならば許せるしやむをえないと思っていた・・・。 などなど。 こういった「機微」は結構面白いのですが・・・。

 といいつつ、この場は、古今第一の『小狸(「小滑頭」)』小宝が、呉三桂の「リアリズム」につけこみ、三方丸く?(笑)、納めてしまいます。 これだけ面白いネタ振りしておいてこれでおしまい??という、皇太后ネタに続く「軽い失望」ですが、この辺がこのブンガクの限界なんでしょうかね。 それとも、歴史の本質は「情や憎」ではなく、「金=欲」だよという壮大な皮肉??(笑)。
 それに、可哀想なのは「阿珂」のはずですが、結構「冷たく」書いています。 この辺は小宝の人物像でも感じますが、「親は親」「私(お前)は私(お前)」だ!という人間観みたい匂いを感じます。 天龍八部から笑傲江湖を経て、少し変わってきたところでしょうか。

 というわけで、舞台は一気に雲南から移動なんですが、原作の大法螺にもかなり無理があるし、「この小説は、この辺で上手く纏めて、やめておけば好かったのに・・・」という今後の展開(笑)。 その上ドラマは、この辺から更に脚本や編集が滅茶苦茶になります。 その典型が、海と川の「ごちゃ混ぜ」。 この辺は次回・・・。

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