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 先般、金庸の鹿鼎記自己解題の文とその感想に続きます。

中国任侠伝(正・続) (陳舜臣中国ライブラリー)中国任侠伝(正・続) (陳舜臣中国ライブラリー)
(1999/10)
陳 舜臣

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 陳舜臣の『中国任侠伝』、開場の白(せりふ)を抜粋します。(抜粋部分斜字) 「カッコイイ」啖呵です(笑)。
 世界を揺りうごかすものは、 -儒者と侠者。 と”韓非子”は述べた。
 儒者は文をもって法をみだし、侠者は武をもって禁を犯すから、という。
 しかし、・・・儒者は体制のなかに組み込まれた。・・・
 侠者だけが孤軍奮闘、この世界を揺すぶりつづけてきたのである。 儒は静止の原理と変わったが、侠は依然として起動の引き金であった。・・・
 侠者とは、他人のために、自分の身をかえりみない者である。・・・中国のますらおぶりを描きたいのである。

 巻末では、「埋もれた侠のこころを発掘する作業は、私の生涯の仕事である」と書いています。
 
 この『中国任侠伝』は、史記漢書の列伝特に「游侠列伝・刺客列伝」をモチーフに翻案したもので、「正」・「続」あわせ全部で十六篇あります。 お勧めです。
 第一編は、己を知るものの為に死す、の「荊軻」と彼をめぐる人々の話です。 以降朱家・田仲・劇孟・・・と続きます。 文章、内容は陳舜臣の中でも歯切れ良く、でも結構硬く・・・。 そう所謂武侠小説ではありませんので念の為(笑)。

 「侠」については、史記「游侠列伝」の一節につきると想います。
 今遊俠,其行雖不軌於正義,然其言必信,其行必果,已諾必誠,不愛其軀,赴士之阨困,既已存亡死生矣,而不矜其能,羞伐其,・・・・
 拙訳:遊侠(侠者)とは、行いは正義(法の原則という意味で)に則していないが、言動は信じうるもので、行いには筋が通り、諾(請ける)れば誠実におこない、その身をかえりみず他者の困難を助け、己の命を度外視し、その能力をひけらかさず、手柄話をしない、・・・・

 「義」を具現した人物が「侠」であるということでしょうか。

 陳舜臣さんも若かりしころは、武侠小説を結構読んでいたようです。 これも巻末対談を後日要約したものから抜粋します。(抜粋部分斜字)
 侠の心というのは、在野の精神と言いかえてもいいかもしれないですね。 在野、朝に対しての野。
 非常に簡単に、中国の人は、「野」か、或いは「官か士か」に分けられると思います。 「士」というのは、仕えていなくても士なわけです。 それ以外のものは全部、野をあらわしている・・・その中に任侠の人がいる・・・。

 武侠小説の仮想空間「江湖」は、この「野」と同意ではないでしょうか?

 侠の世界は、正史の中には、「史記」以降、まともに取り上げられることはない。・・・・取り上げられていたのが小説の世界です。
 具体的に「唐代伝奇」の一部。「水滸伝」「児女英雄伝」「三侠五義」・・・・侠女というのは、割合多いですね、・・・十三妹、・・・実在の人物でも、秋瑾・・・、秋瑾が処刑されたとき、処罰を覚悟で、その遺体を引き取りにいった女性もいましたね。あれなども侠の精神ですね。
 
 「秋風秋雨、人を愁殺す」の秋瑾は、この本をめくったぐらいでしたが突っ込んで調べたくなりました。 続きます・・・

 小さいころ、・・・・侠義小説を読みました。・・・「七侠五義」なんかもありました。 兪樾が・・・大学者なんです・・・・机の上には載せられない小説を読んで楽しんだり、自ら書いたりしてたんですね。
 陳舜臣さんもやっぱり武侠小説ファンだった(笑)! 

 この侠の世界というのは、秘密結社「会党」の世界とつながってくるのです。
 おお「会党」ですよ・・・天地会(笑)! さておき、孫文 譚嗣同 大刀王五こと王正誼 杜月笙 等出てきますが仔細略・・・。

 「その行為が埋没して伝わらないのが、まことの任侠ではあるまいか、命も惜しまないが、名が伝わらないことも惜しまない。・・・それが極致であろう」 「とすれば、任侠伝を書くようなことは、偶然、歴史のうえにこぼれ落ちた落穂を拾うような作業である」と書きましたが、このことはかなり意識していることです。 作家生活を続ける上での支えにもなっているのです。

 「史記」が任侠を取り上げたのは、司馬遷の慧眼なのに、そのために、彼は後世の批判を買っていますね。

 これは本文の中ですが、こう言い切っています。
 侠を認めない史観には、問題があるといわねばなるまい。

 僭越ながら・・・陳舜臣先生・・・「武侠小説」を書いていただけませんか・・・明末清初を舞台に・・・(叩頭!)

 「鹿鼎記」と明末清初の時代が被る歴史小説はあります。 これ、台湾の鄭成功関係の連作です。 この最後に陳永華(近南)がチョットだけ出てきます。 これも面白いですよ。
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