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中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)
(2004/10/19)
高島 俊男

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高島先生から天下の「大盗賊」人気NO1とされた李自成は、金庸小説でも人気者で、碧血剣・鹿鼎記・雪山飛狐(外伝)と3作で登場します。 雪山は「過去のエピソード」ですが、物語の重要な要素ですので、3作に登場は最多でしょうかね。
 さて、「歴史」と「小説」ですが、この本の李自成の章に、こんな項目があります。
 正史の材料は小説だった
 な、なんですと?(笑) 以下要点を抜粋します。(斜字が引用)

 李自成は・・・実は彼とその集団について・・・史料はいっぱいある。 にもかかわらず、わからぬことが多い。その理由は、・・・・  以下原文を少々要約しました。
 1)流賊集団が何十とあった上、行動範囲も広くかつ重なり合っており、李自成集団の行程・戦跡を性格に辿ることが困難。
 2)李自成集団は最後に消滅してしまったので、集団内部、特に中枢にいて、あとで記録を書いたとか歴史家に取材されて昔の活躍を語ったとかという人がない。 つまり集団の内部のことがほとんどわからない。
 3)人気者だから、ほろびた直後から、神話伝説に類する話がたくさん作られた。 神話伝説といってもなかなか本当らしくできているものもあり、もともと材料が乏しいので、なかには歴史家も信じて採用していまう。 それに、他の流賊がやったことも、はなばなしいことは、李自成のやったことになったりする。
 ごもっともです、とはいえ、小説が材料って? 続きます・・・・。

 従来李自成の研究といえば、誰でも主として依拠するのは呉偉業の「綏寇紀略」と計六奇の「明季北略」という歴史記録であった。・・・ところが、この二つの本があてにならぬものだということがだんだん明らかになってきた。・・・ここに書いてあることならまず眉にツバ・・・と言ってもいいくらいである。 
 余談ですが、呉偉業(梅村)は、あの陳円円を詠った「圓圓曲」の作者ですし、鹿鼎記に登場した「呉六奇」とは、この二人の名前のモジリでしょうね。 その意味するところは? さておき本題を続けます・・・。

 近年の緻密・実証的(文献上より正しそうなものや、複数の文献を照らし合わせ確認・矛盾を調べたりする所謂「孝証」でしょう)研究で、是がわかってきたのだそうです。 そして高島先生はこう書いています。
 そういう地道な研究をやってみると、あきれたことに従来李自成研究の二大史料であった「綏寇紀略」と「明季北略」の主要なネタは清初のころの小説なのである。 小説が歴史書に取りこまれ、その歴史書にもとづいて正史が書かれていたのである。
 では、その小説のネタは何なの?事実なの?作り話?それは作者もわからないところでしょう。 こうしてつくられてきた中国の「正史」は、雄大な「歴史小説なのでしょう。 ということは、「清史稿」のみは公になり、正式には現政権が編纂中の「清史」ですが、そこにはまさか「鹿鼎記」でも取り上げられたようなネタが採用されているかも(笑)。 でも、順治帝の五台山清涼寺出奔なんて、この方が歴史として「面白い」ですし、人間ドラマですよね。

 さらに「歴史」と「小説」ですが、もっと「ひねた」お話を続けます。

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