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 『トータルフットボール』絡みで、今更ながらですがこの2冊を読んでみました。

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ヨハン・クライフ―スペクタクルがフットボールを変える (中公文庫)ヨハン・クライフ―スペクタクルがフットボールを変える (中公文庫)
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 まず「美しく勝利せよ」から・・・。 表題をはじめ「名言集」のようなものと思い、これまで手をつけなかったのですが、「食わず嫌い」はいけませんね。 結構想像力を貰える記事がありました。

 第二章「クライフの戦術論」の後半で、’86・87にクライフが監督をしたアヤックスについて具体的に述べています。
 この図に沿って説明されますが、ポジション別の「役割」や「目的」をはっきり言ってくれているので、参考になります。 
86ajax
 以下、引用は斜字、・・・は省略部、太字・色付けは小生のもの。 一般字は小生の解釈・要約です。

 このシステムの要は『セントラル・アクシス』と呼ばれる攻撃ラインと守備ラインを結ぶ縦軸にある。 センターフォワード・・リベロ的に動き回る中央のデフェンダー・・・ゴールキーパー・・・もう一人の中央のディフェンダー・・・センターのミッドフィールダー・・・この5人は見えない糸で結ばれているように、自然な動きをみせなければいけない。
 図の点線で囲った長方形、①⑤④⑩⑨の5人ですね。 続いて、ポジション別の説明です。

 ゴールキーパー・・・攻撃中には、積極的に戦力の一員になる。
 今や当り前のことですが、当時は言われていても中々「実現」出来てはいなかったことです。

 ディフェンダー・・・2人の中央のディフェンダーのうち一人は・・リベロ的に動き回る役目だ。 非常に重要視している。 もう一人の中央のディフェンダー・・・ゴールに結び付けられそうな場所に出来るだけ早くボールを廻せと指示した。・・ロングパスを蹴らせた。。
 ディフェンス時には・・・決まったエリアから離れない・・・スペースをカバー・・・。
 たとえば、右サイドのストライカーが真ん中まで移動してきたら⑤がマークし、②がカバーする。と言う説明をしていますので、所謂ゾーンディフェンスです。 しかし、「ライン」にせよ、とは言っていません。 マーク&カバーといっています。 又、オフサイドトラップにはまったく言及されていません。

 左右サイド②③のディフェンダーは、
 決められたスペースをカバーすることで、攻撃には加わらない。 それぞれのサイドのミッドフィールダーが前にあがったときその後をカバーする。 ・・・サイドバックは中央に注意を払いあまり前へ出ないで、・・・。
 タッチライン沿いから攻めあがるサイドバックではなく、ディフェンスに専念せよ・・とのことですね。 但し、押し上げろ・・と。

 中盤の左右⑥⑧についてです。
 チームのコントローラーとして戦術的な仕事をし、ほかのプレーヤーのミスをカバーする。 協調性のある選手を、自己犠牲的なポジションに配し・・・。 基本的な仕事はボールとともに走ること・・・、
 具体例を要約すると、「④があがってきたら、⑥⑧のどちらかがボールに絡み、もう一人は④の後ろのスペースをカバーする。 攻めの際、クロスが上がったらエリアギリギリで待ちうけ、クリアボールにからむ・・・など、ボールのあるところにはどちらかが居るわけです。

 中央ミッドフィールダー⑩です。
 攻撃では、⑨のサポートが仕事ですが、起用する攻撃的選手の個性によって、細かくやり方を変えていたようです。 場合によっては④と役割交換をしても良い、といっています。
 守備では
 ④の指示からの指示で、最終バックラインの手前の相手にシフトする。⑨は最終バックラインの相手を、④は中盤の中盤の相手を見る・・・敵陣にボールがあるうちから相手の動きを封殺していく。
 相手のDMF(CMF。ボランチ)に付け、ということでしょう。 そして、④はセントラルディフェンダーでありながら、まず攻守の切り替え時には、中盤=OMFに付け・・・ということですね。
 
 続いて、クライフシステムと言えば・・・「ウイング」です。 本文では典型的ウイングの仕事が書いてあります。 4-4-2や3-5-2のように、「ウイングになる」システムが主流になってきた時代に、両サイドの高い位置に居るということ自体特徴あるシステムです。

 ポジションの最後はセンターフォワード⑨です。
 ④がボールを持っている時はフィールドをタテに長く使って、相手の最終ラインを下げさせ、味方がそれぞれ広くスペースを持てるようにする。 ・・・・相手のキーパーかディフェンダーがボールを支配している時、⑨は両ウイングと協力して囲いこみ、・・・。 
 ポストプレーではなく、「裏狙い」が主。 もちろん守備をしろ・・と。

 最後に、このシステムで重要なことは、「第三のプレーヤー」の存在だ。 といっています。

 さて、この80年代後半型アヤックス・システムは、あまり映像がないのですが、ここで垣間見ることが出来ます。 (リンク1) (リンク2) (リンク3) (リンク4) 

 そして、このシステムが素晴らしいタレントも得て完成し、結果を出したのが88年欧州選手権でのオランダ代表の優勝です。 これは多くの画像があります。
 ソ連との決勝戦 ダイジェストへリンク これは開始10分ですがチームのやり方はこの映像がよく分かります。

 ドイツとの準決勝・・・(リンク2)  対イングランド・・・(リンク3)
 この時、特に準決勝・決勝のシステムは、上記クライフ・アヤックスの「コンセプト」具現化です。 ちなみに監督は’74年と同じ、ミケルスです。
 88オランダ

 さて、ここからが本題です。 このクライフ・アヤックス/88オランダシステムの「コンセプト」ですが、ジワット思いついたのが、’72年欧州選手権優勝の西ドイツと「繋がり」があるのでは・・・ということです。
 映像です。 奇しくも同じ国が決勝の相手・・・(リンク1)  その開始10分くらい(リンク2) (参考リンク3) (参考リンク4-1 4-2 4-3 4-4) (参考リンク 5-1  5-2  5-3  5-4  5-5  5-6
 ’72年西ドイツのシステムを図式にしてみました。
72西ドイツ

 もちろん、映像で視た中身は違いが多いです。 西ドイツは②③のFBはマンツーマン、押し上げの意識、など・・・。 唯、クライフが『セントラル・アクシス』といった「縦軸」の重要性。 個性としても、ミュラー・ファンバステンという類まれなセンターフォワード、最後尾から「上がっていく」リベロ・・・、ウイングの使い方・・・、中盤の役割・個性・・・など。
 というわけで、お題の『クライフの理想は’72西ドイツ?』という強引な展開になるわけです。

 さて、次は「’74年」WC決勝の西ドイツとオランダは、’72年の魅惑の西ドイツと、オランダは監督になってからクライフがやりたかったシステムと似て非なるもの・・・。 特にオランダは「未成熟・未完成」な「個人能力と体力依存」の「面白くない」サッカーだったこと。 そして’74年オランダのコンセプトの「一部」のみ後年イタリアの某監督が戦術化し、アンチ・フットボール化したことを書きます。
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