上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事から続きます・・・・
 ’68-69チャンピオンズカップ決勝戦で、ACミランに『1-4』と惨敗したアヤックスは、このシーズンの国内タイトルも逸し、69-70は、今のUEFAカップ(当時はInter-Cities Fairs Cup)に廻り、準決勝で、アーセナルと対戦します。 当時のアーセナルは、国内リーグではこのシーズン12位でしたが、翌70-71シーズンはリーグとカップの2冠を獲得しています。
参考: 「'69-70UEFAカップ(Inter-Cities Fairs Cup)の詳細戦跡」 「アヤックスのヨーロッパカップ戦跡

 アヤックスは、第1戦アーセナルのホームで0-3と敗れ、勝ち抜けにはこの2戦目を「勝たなくては」ならない状況です。 結果は、前半17分に先取点を上げるものの、それまで・・・、一方アーセナルは、決勝でアンデルレヒトに勝って優勝します。
 スコアとメンバー、及び概略の布陣です。
15-04-1970 Halve Finale return EC3
Ajax 1-0 Arsenal 17’G. Muhren 1-0
Ajax (trainer Michels)
Bals; Suurbier , Hulshoff, Vasovic, Krol ; Rijnders, G.Mühren ; Swart, Cruijff, Dijk van Dick, Keizer
Arsenal:(trainer: Albert Mee)
Wilson; Storey, McNab, Kelly, McLintock (c),Simpson, Armstrong, Sammels, Radford, George, Graham.
70arsajax001a
 アヤックスのメンバーは、前年ACミラン戦から4人変わっています。 左SBが、Van Duivenbodeから⑤Krol(クロル)に、MFが2人とも変わりました。 FWは、Danielssonから⑩van Dick(ファンダイク)。 布陣はFWを4人置いてるので同じ4-2-4と思われます。
 アーセナルは懐かしいですね。 サッカーマガジンの記事や、ダイヤモンドサッカーでも結構紹介されました。 ロン毛の⑩George(チャーリー・ジョージ)やキャプテンMcLintock(マクリントック)は憶えています。
 さて、アヤックスの戦いぶりがどの様なものか・・・続きでみていきます。

 アヤックスが、ACミラン戦と大きく違うのは、遅攻時の最後尾DFの位置です。 ミラン戦・アーセナル戦とも、サイドを広く使って攻めるアヤックスは、②シュルビアが頻繁にオーバーラップします。
 ACミラン戦では、中盤に青丸のような大きなスペースが出来た所を、⑩リベラはじめミランの前線の選手に使われカウンターを食らっていました(左図)
70arsajax100 70arsajax101
 かたや、アーセナル戦では、CB③フルツホフとスイーパー④ヴァゾヴィッチが、ほぼハーフウェーラインまで上がっていました。 今では「高いディフェンスライン」と言うのでしょうが、「ライン・ディフェンス」ではないので敢えて言いません。(右図) そして、背後に出来た赤丸の広大なスペースは、オフサイド・トラップで防いでいました。(背番号は、ミラン戦と比較の為、アーセナル戦は実際と違います。 念のため) その実例です。

 まず、立ち上がり早々、アーセナルにボールを拾われ、カウンターを受けそうになったときです。 ここでは、顕著なオフサイドトラップは掛けていません。
 (1):アーセナル(赤)が縦パスを出す。 (2):アーセナル受手(桃)は、アヤックスのマーカー(青)を引き離している (3)カバーに水色のアヤックス選手が「戻って」来ている。
70arsajax002
 しかし、カバーリングの動きは、「待ち構え」ではなく「戻りながら」なので、始動位置は高いと思われます。

 次は、上画からあまり時間がたっていないうちの、オフサイドトラップを掛けた事例です。
 (1)右サイドでアーセナル(桃)が一度キープし、後ろへも戻す (2)ボールを受けた選手は縦に蹴る。 (3)アヤックス選手3人が「上がり」、アーセナル2人がオフサイド。
70arsajax003
 もう一例、(1)右コーナー付近からアヤックス③シュルビアがセンタリング (2)ボールはこぼれてアーセナルボールに (3)FW⑩ジョージが戻ってきて、これを受け前を向く (4)アヤックス選手のチャージの前に縦パス (4)アヤックスDFは戻る姿勢、奥の(青)がオフサイドをアピール (5)アーセナル2人が前にいるが、どちらでオフサイドを取ったのでしょう? 手前の選手はナナメに走っているようなので、微妙だと思います。
70arsajax004

 アーセナルも、ワンクッションおいたパスなど、オフサイドトラップ破りを試みますが、アヤックスDFは引くことなく、トラップによる後ろのスペース防御を続けます。 あわや破られる・・というシーンです。
(1)アーセナル(赤)がボールを持つが、アヤックスがハーフウェーラインまで上がり、トラップを掛け、アヤックスサイドにアーセナル選手が残っている為、一度蹴るのを止める。 (2)アーセナルFW2人(橙)は自陣に戻り、タッチライン側を(桃)の選手が走りぬける (3)(桃)にあわせパス。アーセナルFW(橙)はオンサイド、(桃)にアヤックス(青)が付いて戻る。 このパスは流れ通りませんでした。
70arsajax005
 オフサイドトラップは、高い位置だけではなく、頻度は少ないものの自陣ゴール前でも行っていました。
(1)アヤックス陣でアーセナルFW(赤)にボールがわたり、②ヴァゾヴィッチ(緑)がディレイしている (2)アーセナルFW(赤)は、エリア角まで持ち上がるが、アヤックスDF2人がチャージし、ボールを戻す (3)FW(赤)はターンし、前へ、そこへチップキックのパス アヤックスDF(青)はオフサイドをアピールするが、後ろにアヤックス選手が居る、失敗 (5)ヴァゾヴィッチ(緑)が追い、一瞬早くボールにタックルし、(6)ライン際を持ち上がる。 これも判断ミスで危ない例です。
70arsajax006

 そして、17分にアヤックス先取点が入ります。
 (1)左大外からカイザーがセンタリング (2)中央で競り、(3)(4)クリアはお互いキープできず (5)中盤まで上がっていたシュルビアが持って (6)ファーへロビングのクロス (7)ファンダイクとDFが競って、裏にこぼれた所を、(8)フリーのカイザーがシュート (9)ゴール前に詰めた⑦G.Mühren(G.ミューレン)が押し込んでゴール。
70arsajax007
 ホームスタジアムはこのゴールで更に盛り上がります。 しかし、この後スコアは動きませんでした。
 アヤックスは、クライフやカイザーが一度中盤に引いてそこを基点に仕掛ける。 ハーフカウンター気味に、クライフなどがスペースに走りこむのに合わせ、ヴァゾヴィッチの正確なロングボールが送られる。 こういった時は、決定機に至る可能性がみえました。 しかし、最後のところで、パス&ゴー&数人のコンビプレーで狭い地区を崩す、裏を取るというトライは余りありません。 ゴール前を固めた相手に、工夫のない「ロビング」攻撃が多いのです。 ハーフウェーから先を「Uの字」に囲い込み、押し込む断続攻撃に迫力はありますが、最後は「放り込み」かよ、・・・という感じです。 ヘディング、玉際の競り合いと、アーセナルDFに踏ん張られ、追加点は中々得られません。
 一方、アーセナルは、開始早々からのアヤックス高いDFの位置取りとオフサイドトラップで戸惑いますが、逆に1点失ってからは、マイボールを無理をせず中盤で丁寧に繋いでいきます。 イングランドのイメージのロングボールをトップに当ててというのは殆どやりません。
 ということで、アヤックスの追加点の「匂い」はあまりせず、1-0のまま終了でした。

次回は、翌年の’70-71チャンピオンズカップ準々決勝第1戦 3-0 セルチックをみてみます。
Secret

TrackBackURL
→http://mariott.blog21.fc2.com/tb.php/521-6be7d80d
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。