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 前の記事で、『活死人墓』は実在していた・・・と書きました。 ということで、全真教(Wikiリンク)について、こんなリーフレットを読んでみました。

中国道教の展開 (世界史リブレット)中国道教の展開 (世界史リブレット)
(2008/06)
横手 裕

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 この中から、全真教(Wikiリンク)に関連する部分を抜書き(斜字)してみます。

 まず、宋代の道教の動向から・・・
 信仰対象にも新しいタイプの神仙があらわれた。 その代表は呂洞賓である。 ・・・ 八仙 玉皇 真武 関帝 ・・・ 元代以降、文昌帝君 媽祖 ・・・ 今日道観で祭祀される神々の編成ができあがる。

 道教の神々について(リンク1)(リンク2(Wikiリンク)

 神仙道(神仙術)にかんしては、唐代に盛行した金丹術(外丹法)にかわって、宋代に内丹法が流行を始め、道教における修行法の中心となっていく。 内丹法は一種の瞑想法であり・・・。
 面白いのは、
 職業的な道士のみならず・・・蘇軾朱熹といった当時を代表する儒者もこれに手を染めた。
 へええ・・・でもやっぱり、という感じですね。 それと、なぜ金丹術が外丹から内丹かというと、簡単に安く誰でも出来るから・・・だそうです。 そして、
 内丹法にも二つの傾向がある。・・・肉体的な自己存在を永遠にする「命宗」・・・、精神の永遠を不滅を獲得する・・・「性宗」。 しだいに性宗的な内容が一般的となっていく。

 まあこの辺は、流石、外丹・錬丹法=危ない薬、や命宗=肉体の不老不死、これらは「非現実的」だとなってきたのでしょう。 じゃあどうするんだ・・・で「現実に合わせた」解釈の変更ですね。 更に続きます。

 呪術法・・・新しい性格をおびてきた。「雷法」の登場である。 「雷法」とは、雷の持つ激しく強烈な力を、邪悪な鬼神をこらしめる正義の力として呪術に取り入れたものである。

 雷などというと、あの「手をワーと突き出すと、稲妻のような力が放たれ相手を倒す」という武侠ドラマのシーンを思い浮かべてしまいます(笑)。

 なお、雷法が完成し成熟していくにあたっては内丹説の普及がおおいに影響している。 雷法の実践者は内丹法の修行により体内に金丹をつくることが求められる。 自己の神や気は「内に錬れば丹と成り、外に用いれば法(雷法を中心とする法術)と成る」ものであるといわれ、内丹法に習熟し、内丹を錬成することにより雷法も行使できるとされた。

 うむむ・・・武侠世界の所謂「内功」に繋がってますね。 雷法を内功と言い換えれば、そのまま「内功、内力」という武侠世界の武学理論です。 われわれ道教の遺伝子の無い世界の住人は、荒唐無稽に思える世界も、かの地では、免疫があるというか自然に受け入れられる素地があるわけです。

 さて、全真教ですが、「射雕英雄伝」では反金復宋の勢力であるかのように設定されていますが、金朝時代から、政権の公認であったようです。 そして、この本の記述によれば、
 丘処機」が、モンゴルのチンギス・ハンと会見して信頼を得ると、モンゴル朝からさまざまなバックアップをえて、大いに隆盛を誇ることになる。

 とあります。 そう、何を隠そう「全真教」は、元朝の漢民族統治の大きな要素である、宗教・信仰の管理の「手先」だったのですねえ(爆)。 まあ、民衆や知識人の間に普及し、その中身も元朝にとって「危なく」なかった故でしょうし、全真教側も「現世利益の極大化」を地でいっていたのでしょう。 『神雕侠侶』の全真教の皆様の「こもの」ぶりはそのままだったのかもしれません。
 
 さて、その全真教の本拠地が「重陽宮」です。 何か深山の奥の奥にあるように描かれていますが、西安の郊外、今では畑の真ん中のようです。

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(2010/08/10)
杉山 正明

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 久しぶりに「杉山節」を味わいたくて、手にしてみましたところ、ここにも、全真教の記述がちょっと出てきました。
 現在、陝西省西安市の西郊には、・・・草堂寺・・・このころ全盛をきわめた新道教の祖庭である大重陽万寿宮の遺跡が・・・、いまもモンゴル時代の碑刻が数多く残る。 そのなかに、コデン(闊端太子)とメルギデイ(コデンの子)の二代にわたって、この仏寺と道観の保護を命じた令を刻した碑がある。

 そしてこれが、大重陽万寿宮の今を紹介したHPです(リンク) 場所は陝西省戶県祖庵鎮です。 現在の写真をこのHPからお借りしました。 
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 杉山先生の本では、大重陽万寿宮は「石碑だけの碑林」と書かれていましたが、立派に再建されたようですね。
 王重陽の他、七真人のお堂も造られ、碑林もしっかり保存されているようです。
 西安方面に行かれた際は、終南山「活死人墓」とあわせ、楊貴妃の墓やお化けになってしまった法門寺などより、こちらを訪ねられては如何でしょうか・・・。
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